有馬記念(ありまきねん)は、日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GI)。2018年の有馬記念は、12月23日(日)15:25発走です。
有馬記念は競馬界でも大事なレースのひとつなんです。普段、競馬とかかわりの薄い人も馬券を買ってくれます。有馬記念きっかけで競馬ファンになった人だって、たくさんいるんです。外界と橋渡しをする特別なレース、それが有馬記念。
馬券予想の参考にはならない話ばかり書いていきますが、馬券以外の観点からも有馬記念を楽しんでいただきたい!
最初は競馬に馴染みのない人や初心者に向けて書いていきます。立派な競馬ファンの方は目次から興味のある項目をクリックしてみてください。
有馬記念とはこんなレース
毎年、クリスマス付近に行われます。社会人のボーナス時期と重なるのは、きっと何かの偶然…
- 年末に中山競馬場で行われるG1競走
- 引退や世代間の初対決などドラマ要素多め
- 世界で一番馬券の売れるレース
- ファン投票で出走馬が決まる仕組みがある
中央競馬の総決算として行われる競馬の祭典
有馬記念は1年を締めくくる中央競馬のお祭りレース。各カテゴリのチャンピオンホースが集い、グランプリとの別称に恥じない格を持ち合わせた競争です。歴代の勝ち馬が、その年を代表する馬として年度代表馬に多く選出されることからも裏付けられます。
近年の勝ち馬では、オルフェーブル、ジェンティルドンナ、キタサンブラックなどが有名です。翌春の繁殖シーズン前、最後の大レースであり、トップホースの引退レースとなることもしばしば。先の3頭も引退レースとして有馬記念に出走し、勝利しています。
引退があれば新勢力も。クラシックを戦った3歳馬が有馬記念で古馬にはじめて挑むというのもよくみる光景。歴戦の古馬と当年ダービー馬や菊花賞馬との対決も見どころです。
有馬記念の馬券売上
中央競馬でもっとも馬券が売れるのが有馬記念です。2017年の売上は441億円。わずか2分半ほどのレースで441億円です。とんでもない額ですよ。日本の総人口1.2億人で割ると、1人あたり約350円購入している計算になります。
競馬の最高峰とうたわれる日本ダービーでも249億円と、馬券の売上だけをみると有馬記念は突出した存在です。
また中央競馬の売上は世界一なので、自動的に世界でもっとも馬券の売れるレースと言えます。
過去もっとも売上があったのは1996年
有馬記念の売上レコードは1996年の875億円。まだ日本経済にもバブルの名残があった頃。勝ち馬はサクラローレル。2着マーベラスサンデー、7着マヤノトップガンの古馬3強が人気の中心でした。
ファン投票
有馬記念では事前にファン投票が行われます。このファン投票で得票数の多い上位10頭に優先出走権が与えられます。2018年は11月15日から12月2日にかけて投票が行われました。
もっともファン投票の是非で出走の可ヤマカツエース否が決まるケースはとても稀です。本賞金が十分にある馬は投票順位に関係なく出走できるし、そもそも出走登録する馬がフルゲート16頭を大きく超えて存在するわけでもないからです。
2017年の出走馬です。11位以降は賞金で出走順が決定します。上位に回避馬が多いので20位でも優先出走権があるし、登録頭数も少ないので80位でも出れちゃうんですよね…
投票順位 | 馬名 |
---|---|
1位 | キタサンブラック |
5位 | シュヴァルグラン |
9位 | ミッキークイーン |
12位 | ヤマカツエース |
13位 | レインボーライン |
15位 | シャケトラ |
16位 | スワーヴリチャード |
18位 | サウンズオブアース |
20位 | ルージュバック |
39位 | クイーンズリング |
54位 | カレンミロティック |
45位 | サクラアンプルール |
80位 | サトノクロニクル |
81位 | トーセンビクトリー |
75位 | ブレスジャーニー |
出走を回避を表明した馬や短距離やダートなど適性の合わない馬も投票されにくいので、単なる人気投票とも少し違いますね。
過去の投票結果などはこちらにまとめてあります。
もしかしたらファン投票の順位をいちばん気にしているのは馬主さんかもしれません。これについては後述します。
同じくファン投票を行うレースには宝塚記念があります。
過去の有馬記念、名勝負
少し古くなりますが、有馬記念の名勝負ランキングでもあったら未だに上位に入りそうな3レース。初心者の方も名前だけは知っておくと年季の入ったファンとの会話が弾みます。90年代の競馬は熱かった。
1990年 オグリキャップ
国民的アイドルホースであったオグリキャップのラストラン。天皇賞秋、ジャパンカップと続けて惨敗し、もうオグリは終わったと囁かれ、4番人気で迎えた有馬記念。鞍上には2度目のコンビとなる、まだ21歳の武豊。ウイニングラン。
あの日、中山競馬場に詰めかけた17万人の「オグリ」コールを超える歓声には未だ出会えず。
1993年 トウカイテイオー
度重なる故障で1年ぶりのレース。輝かしい実績も、G1馬8頭の豪華メンバーの前に4番人気まで。主戦だった岡部も、1番人気に推された菊花賞馬ビワハヤヒデの馬上。
奇跡の復活。レース後の田原騎手の男泣きのインタビュー。
1999年 グラスワンダー
翌年、古馬路線を完勝するテイエムオペラオーの4着が、さらにその価値を高める。モーリスの祖父。
有馬記念の出走条件と各賞金
レース条件(2017年)
- 中山競馬場 2500m(内回り)
- フルゲート 16頭
- 3歳以上
- 斤量(3歳 55kg、4歳以上 57kg、牝馬 2kg減)
- 賞金(1着 3億円、2着 1億2000万円、3着 7500万円、4着4500万円、 5着 3000万円)
優先出走権
- ファン投票の上位10頭に優先出走権
- 外国調教馬(最大6頭)
褒賞金
同じ年の天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念をすべて優勝したJRA所属馬の馬主には褒賞金が交付されます。褒賞金の額は、日本で産まれた馬が2億円、外国で産まれた馬が1億円。
特別出走奨励金
ファン投票で10位以内のJRA所属馬が出走すると、馬主に特別出走奨励金が支払われます。その額は、上位3頭が2000万円。4位、5位が1000万円で、6~10位が500万円。ただし、その年に活躍している必要(平地重賞勝利、もしくはG1・Jpn1で3着以内)があります。これは海外のレースでも構いません。
上記の褒賞金と合わせて、なぜこんなにもニンジンがぶら下げられているのか?それはトップホースが有馬記念に出走しないから。
有力馬が有馬記念を回避する理由
香港国際競争という選択肢これが一番大きい理由でしょう。メイン競走の香港カップ(2000m)の優勝賞金は約2億円(1425万香港ドル)と十分に高額。欧州勢も多数参加するため、レースの格としても申し分ありません。(2017年の香港カップはレーティング126、有馬記念は124)香港競馬のレベルは日本と比較するとやや落ちます。欧州勢も参加するとはいえ、芝の適正、地理的な近さから日本勢は互角以上に戦っています。高額賞金で格の高いレースながらも勝ちが望める。有馬記念で上位争いが厳しいと感じるなら香港という選択肢は魅力でしょう。
秋の古馬戦線のローテーションが過密
天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念の3連戦は中3週が続き厳しい日程。秋は3戦までの馬が多く、ステップのG2から天皇賞・秋、その後をジャパンカップ、有馬記念、香港のいずれかになるのが主流でしょうか。
2500mの距離が長い
競馬は世界と密接につながっています。世界の競馬の主要距離は1600mから2400mです。たかだか100mですが、世界の趨勢がよりスピードを求めるようになっており、繁殖を考えると長距離の実績が足を引っ張るともいえます。
ジャパンカップとの出走馬の奪い合い
ジャパンカップでは外国馬の苦戦が続きます。最後に外国馬が勝ったのは2005年のアルカセット。出走を希望する馬が減ることで日本馬の出走が増えました。ダービーと同じ舞台の東京2400m。盛り上がりは有馬記念に譲りますが、レースの格では一歩抜けてる印象があります。競走馬のピークはそう長くは続きません。過密日程と相まって、有馬記念とジャパンカップは出走馬を奪い合う関係になっています。
2017年からは有馬記念の後にも開催が
長らく有馬記念は1年の最後を締めるレースとして知られていましたが、有馬記念は12月の第4日曜に開催されるのですが、2017年からは12月28日にも競馬が行われることになりました。2017年より、有馬記念よりも後の開催となる28日にも競馬が行われることになりました。長く親しんだせいか、やはり最終日のメイン競走は有馬記念がふさわしい気がします。枠順抽選会「有馬記念フェスティバル」と題して公開枠順抽選会が行われます。盛り上げに一役買います。有馬記念の起源 ・1956年の第1回の名称は中山グランプリ芝2600m(内回り)・1957年から有馬記念1996年(平成8年) – 従来の推薦方式を廃止し、ファン投票2001年 古馬の斤量を統一2014年