繁殖牝馬

名牝の証!産駒のJRA重賞勝利数で繁殖牝馬をランキングしてみる

産駒の重賞勝利数を基準に、繁殖牝馬をランキング形式で紹介していきます。繁殖牝馬の血統や産駒の成績についてもあわせて書きました。

複数の活躍馬を輩出した牝馬を取り上げたいので、以下の基準を設けています。

選考基準
  1. G1を勝った産駒が2頭 もしくは 重賞を勝った産駒が3頭以上
  2. 全重賞勝利が10勝以上
  3. 重賞はJRA平地重賞に限る(地方・海外含まず)
  4. グレード制導入(1984年)以後

では、勝利数の多い順に紹介していきます。勝利数が変動すれば追記します。基準には満たないが名牝と言われる繁殖牝馬や、まだ現役産駒が走っている繁殖牝馬については基準外の項目にまとめて記載してあります。

※「主な産駒」の赤字は牝馬、はG1馬

パシフィカス(産駒JRA重賞勝利:17勝)

パシフィカスについて

1981年アメリカ生まれ、父ノーザンダンサーと同じE.P.テイラー氏の生産。母パシフィックプリンセスはアメリカのG1勝ち馬。イギリスで競争生活を送るも目立った成績はない。種付け料が50万ドルともそれ以上とも言われたノーザンダンサーの晩年に種付けされている。

1989年、早田牧場が繁殖牝馬のセリで約520万円で落札し輸入。安価だったのは、無名種牡馬シャルードの仔を宿していたのが一因とされる。その仔がのちの年度代表馬ビワハヤヒデとなるのだから、競馬はおもしろい。

主な産駒

ビワハヤヒデ 7勝 菊花賞,天皇賞春,宝塚記念
ナリタブライアン 9勝 三冠,有馬記念,朝日杯3歳S
ビワタケヒデ 1勝 ラジオたんぱ賞-G3
スペルオルパール 0勝 産駒にラストインパクト(ジャパンC2着)

ナリタブライアンは「シャドーロールの怪物」との異名をとった三冠馬。兄ビワハヤヒデは王道路線を歩み続け、G1を3勝。全16戦で連対を外したのはわずかに1回と抜群の安定感を誇った。その強さは古馬での全5戦がすべて1.5倍以下の1番人気に支持されたことからもうかがえる。

2頭は1歳違いであり活躍の時期がかぶる。ビワハヤヒデの故障引退で夢と消えたが、有馬記念での兄弟対決に向けて勝ち進む両馬は大いに競馬界を盛り上げた。

早田牧場と社台グループが対抗関係にあったため、パシフィカスはすでに日本競馬界を席巻しつつあったサンデーサイレンスと交配されることはなかった。

近親

パシフィカスの半妹キャットクイル(父ストームキャット)から桜花賞馬ファレノプシスとダービー馬キズナラストインパクトなど孫世代の活躍も見られ、名牝系として血脈をひろげている。

牝系図(fn.13-a)

Pacific Princess(デラウェアオークス-米)
パシフィカス
||ビワハヤヒデ(天皇賞春,菊花賞,宝塚記念)
||ナリタブライアン(三冠,有馬記念)
||スペリオルパール
|||ラストインパクト(京都大賞典-G2,ジャパンC2着)
トロピカルサウンド2
||シルクユニバーサル
|||モンドインテロ(ステイヤーズS-G2)
|||セダブリランテス(中山金杯-G3)
キャットクイル
||ファレノプシス(桜花賞,秋華賞,エリザベス女王杯)
||Sunday Break(ピーターパンS-米G2)
||キズナ(ダービー)

オリエンタルアート(産駒JRA重賞勝利:16勝)

オリエンタルアートについて

1977年、社台白老ファーム生産。競争成績は条件戦を3勝。3勝はいずれもダートで、代表産駒の主戦も務める池添謙一が騎乗している。

オリエンタルアートの2代前母グランマスティーヴンスは社台グループが輸入した繁殖牝馬。グランマスティーヴンスの父はLt. Stevensで、これは世界的名牝Thongの全兄にあたる。(Thongから派生する一族にはサドラーズウェルズエルコンドルパサーなど)

メジロマックイーンは3000mを超えるG1を3勝した最強ステイヤー。ラストランの京都大賞典では2分22秒7のレコードで駆けており、スピードも兼ね備えていた。

主な産駒

ドリームジャーニー 7勝 有馬記念,宝塚記念,朝日F
アルスノヴァ 0勝 3戦2勝,エリカ賞-500万下
オルフェーヴル 9勝 三冠,有馬記念2回,凱旋門賞2着2回
アッシュゴールド 0勝 デイリー杯2歳S2着-G2
デルニエオール 0勝 フィリーズレビュー3着-G2

G1勝ちはドリームジャーニーオルフェーヴルを合わせて9勝。これはスカーレットブーケと並ぶJRA最多勝。

ドリームジャーニーオルフェーヴルの兄弟に加え、同時期に活躍したゴールドシップも父ステイゴールド、母父メジロマックイーンの掛け合わせであったことから、ニックス(相性のいい配合)といわれた。

牝系図(fn.8-c)

グランマスティーヴンス
エレクトロアート
||オリエンタルアート
|||ドリームジャーニー(有馬記念,宝塚記念,朝日杯FS)
|||オルフェーヴル(三冠,有馬記念2回,宝塚記念)

ビワハイジ(産駒JRA重賞勝利:15勝)

ビワハイジについて

1993年生まれ。カーリアン産駒の持ち込み馬で、母アグサンは英国で4戦0勝。Slip Anchor(英ダービー)、ザグレブ(愛ダービー)やSagace(凱旋門賞)などが出ている牝系。

G1でエアグルーヴ相手に逃げ切りを決め、最優秀3歳(現・2歳)牝馬に輝く。有力馬としてクラシックを迎えるも桜花賞は15着と惨敗。次走、果敢にもダービーに挑戦するが13着に終わる(勝ち馬はフサイチコンコルド)。その後は故障もあり、古馬G3を1勝するに留まった。

生まれ故郷の早田牧場新冠支場で繁殖生活を送るが、2002年に早田牧場が倒産したことからノーザンファームに移る。アドマイヤオーラ以降の産駒はノーザンファーム生産である。

主な産駒

アドマイヤジャパン 1勝 菊花賞2着,皐月賞3着
アドマイヤオーラ 3勝 皐月賞1番人気,ダービー3着
ブエナビスタ 8勝 桜花賞,オークス,天皇賞秋,ジャパンC
トーセンレーヴ 1勝 エプソムC-G3
ジョワドヴィーヴル 1勝 阪神JF
サングレアル 1勝 フローラS-G2

重賞勝ち馬を6頭も輩出した。それだけで十分賞賛に値するが、種牡馬を選ばず結果を残した点をもっとも評価したい。サンデーサイレンス産駒(アドマイヤジャパン)、アグネスタキオン産駒(アドマイヤオーラ)、スペシャルウィーク産駒(ブエナビスタ)、ディープインパクト産駒(トーセンレーヴジョワドヴィーヴィル)、ゼンノロブロイ産駒(サングレアル)。

代表産駒はブエナビスタ。デビューから19戦連続の1番人気(海外を除く)、G1連対13回は戦慄。

近親

アグサンの半妹サトルチェンジも輸入されている。こちらには年度代表馬マンハッタンカフェがいる。

牝系図(fn.16-c)

Santa Luciana
アグサン
||ビワハイジ(阪神3歳牝馬S)
|||アドマイヤオーラ(弥生賞)
|||ブエナビスタ(ジャパンC,オークスなどG1を6勝)
|||トーセンレーヴ(エプソムC-G3)
|||ジョワドヴィーヴル(阪神JF)
|||サングレアル(フローラS-G2)
サトルチェンジ
||エアスマップ(オールカマー-G2)
||マンハッタンカフェ(有馬記念,天皇賞春,菊花賞)
||マンハッタンフィズ
|||アプリコットフィズ(クイーンC-G3)
|||クレスコグランド(京都新聞杯-G2)
|||ダービーフィズ(函館記念-G3)


スカーレットブーケ(産駒JRA重賞勝利:15勝)

スカーレットブーケについて

1988年、社台ファーム生産。日本にノーザンダンサー系をひろめたノーザンテースト

母のスカーレットインクはアメリカで1戦未勝利ながら、社台ファームがYour Hostessにつながる牝系に注目して購入した繁殖牝馬。Your Hostessの兄はYour Hostで、その産駒にはアメリカで5年連続(1960-194)年度代表馬になった伝説的名馬Kelsoがいる。

スカーレットブーケの競争実績は重賞4勝。G1こそ手が届かなかったが、牝馬三冠はいずれも掲示板に乗るなどクラシック戦線を沸かせた。同世代はシスタートウショウイソノルーブルなど。

主な産駒

スカーレットメール 0勝 チューリップ賞2着-G3
スリリングサンデー 0勝 若駒S2着-OP
ダイワルージュ 1勝 新潟3歳S-G3,桜花賞3着
ダイワメジャー 8勝 皐月賞,天皇賞秋,安田記念,マイルCS2回
ダイワスカーレット 6勝 桜花賞,秋華賞,エリザベス女王杯,有馬記念

G1を計9勝した代表産駒の2頭は有馬記念で顔を合わせている。引退レースのダイワメジャーが6番人気で3着。3歳下の半妹ダイワスカーレットが5番人気で2着。直線入り口で3歳牝馬ながら果敢に先頭に立つスカーレットを兄メジャーが追いかける姿が懐かしい。

近親

スカーレットインク系は、その繁栄ぶりから別称「スカーレット一族」と呼ばれる。スカーレットインクをさらに遡っていくと、英ダービー馬Secretoやアメリカ二冠馬Real Quietなどの名をみることができる。

牝系図(fn.4-d)

スカーレットインク
スカーレットブルー
||アナスミラビリス
|||トーセンスマッシュ
||||ブレイブスマッシュ(サウジアラビアRC-G)
||フェスタデルドンナ
|||クォークスター(セントライト記念-G2)
||ブルーリッジリバー(桜花賞2着)
|||ヴィーヴァブーケ
||||ブラックホール(札幌2歳S-G3)
||||ライラック(フェアリーS-G3)
スカーレットリボン(4歳牝馬特別-G2)
スカーレットローズ
||スカーレットレディ
|||サカラート(東海S-G2)
|||ヴァーミリアン(ジャパンCダート,東京大賞典-地)
|||キングスエンブレム(シリウスS-G3)
|||ソリタリーキング(東海S-G2)
スカーレットブーケ(京都牝馬特別-G3)
||ダイワルージュ(阪神3歳牝馬S2着)
|||ダイワファルコン(福島記念-G3)
||ダイワメジャー(天皇賞秋,皐月賞,安田記念,マイルCS2回)
||ダイワスカーレット(有馬記念,桜花賞,秋華賞,エリザベス女王杯)

ホワイトナルビー(産駒JRA重賞勝利:13勝)

ホワイトナルビーについて

1974年浦河生産。競走成績は地方競馬・笠松で8戦4勝。産駒はすべて地方競馬・笠松でデビューしているという、この繁殖牝馬ランキングの中では異色の存在。

父であるシルバーシャークは、フランスのムーランド・ロンシャン賞などを勝ったトップホースで1973年に種牡馬として輸入された。供用されていた明和牧場では毎年50頭前後の種付けをしており、一定の人気があったことがうかがえる。

牝系は天皇賞馬クインナルビーから派生する系統で、1930年に輸入されたシユリリーまでたどることができる。クインナルビー牝系からは桜花賞馬キョウエイマーチ、BCディスタフを勝ったその孫マルシェロレーヌもでており、筋の通った血統である。

主な産駒

オグリキャップ 12勝 有馬記念2回,安田記念,マイルCS
オグリローマン 1勝 桜花賞

ホワイトナルビーの産駒は全15頭が地方競馬でデビューし、そのすべてが勝ち上がっている。相手も選ぶことなく13種の種牡馬で結果を残した。その類まれなる繁殖成績から、1996年に地方競馬全国協会(NRA)から特別表彰を受けている。

代表産駒は稀代のアイドルホース、オグリキャップ。この馬なくして今の日本競馬は語れない。種牡馬として後世に影響を残したわけではないが、競馬人気、認知のあり方を変えた馬。

6歳下の半妹オグリローマンも中央に移籍し、桜花賞を勝っている。追加登録制度がなくクラシック出走を断念した兄の無念を晴らした。ちなみに兄とは異なり中央移籍後も小栗孝一氏が馬主であり、勝負服のデザインが少し異なる。ピンクの袖がかわいらしい。

近親

地方競馬ではあるが、ホワイトナルビーの孫にあたる世代も複数の馬が重賞を制している。

牝系図(fn.7-d)

クインナルビー(天皇賞秋)
スターナルビー
||センジユウ
|||ネヴアーナルビー
||||ホワイトナルビー
|||||オグリキャップ(有馬記念2回,安田記念,マイルCS)
|||||オグリローマン(桜花賞)
スズキナルビー
||トミニシキ
|||トキノシュリリー
||||インターシャルマン
|||||キョウエイマーチ(桜花賞,秋華賞2着)
||||||ヴィートマルシェ
|||||||サンブルエミューズ
||||||||ナミュール(マイルCS,秋華賞2着)
||||||||ラヴェル(アルテミスS-G3)
|||||||マルシュロレーヌ(BCディスタフ)

ダンシングキイ(産駒JRA重賞勝利:12勝)

ダンシングキイについて

1983年アメリカ産。競争成績はなく繁殖入り。同じニジンスキー産駒の姉がアメリカG2勝利。社台ファームに購入されるまでに3頭の産駒がいる。日本ではリローンチ産駒のラップスターが2戦未勝利の戦績。日本競馬を賑わす存在となるのは、その次の産駒であるエアダブリンからである。

代表産駒はいずれも「ダンス」と呼称されたが、アメリカで残した産駒は、いずれも馬名の頭に Key がつく(Key LaunchKey RecognitionKey Island)のは興味深い。

主な産駒

エアダブリン 3勝 青葉賞-G3,ダービー2着
ダンスパートナー 3勝 オークス,エリザベス女王杯
ダンスインザダーク 3勝 菊花賞,ダービー2着
エアギャングスタ― 0勝 札幌記念2着-G2
ダンスインザムード 3勝 桜花賞,キャッシュコールマイル-米G3
トーセンダンス 0勝 種牡馬,代表産駒ユウキソルジャー(菊花賞3着)

いずれもG1を勝ったダンス3兄弟が代表馬。3頭とも父はサンデーサイレンスで、武豊鞍上でクラシックを勝利しているという共通点がある。牝馬のダンスパートナーダンスインザムードは産駒も重賞勝ちを収めており、次なるダンスと呼ばれるG1馬の誕生が待たれる。

近親

少し遠いが、2歳馬ながら欧州年度代表馬に輝いたアラジが近親としての代表馬。牝系をさかのぼるとダービー馬バンブーアトラスの父ジムフレンチの名も。スズカマンボのマンボもおそらくはダンスつながり。

牝系図(fn.7)

Native Partner
Fabuleux Jane(ポモーヌ賞-仏G3)
||ダンスールファビュルー
|||アラジ(BCジュベナイル,仏グランクリテリウム,モルニ賞-仏)
Key Partner
||Key Dancer(マッチメーカーS-米G2)
|||キーブギー
||||スマートロビン(目黒記念-G2)
||ダンシングキイ
|||エアダブリン(青葉賞-G3,ダービー2着)
|||ダンスパートナー(オークス,エリザベス女王杯)
||||フェデラリスト(中山記念-G2)
|||ダンスインザダーク(菊花賞)
|||ダンシングサンデー
||||ダンスオンザルーフ
|||||レッドガラン(中山金杯-G3)
|||ダンスインザムード(桜花賞,ヴィクトリアM)
||||ダンスファンタジア(フェアリーS-G3)
||キーフライヤー
|||スプリングマンボ
||||スズカマンボ(天皇賞春)

エアグルーヴ(産駒JRA重賞勝利:12勝)

エアグルーヴについて

1993年生まれ。社台が導入した牝馬パクロサイドガーサントノーザンテーストトニービンと社台ファームが誇る種牡馬が重ねられている。母のダイナカールはオークス馬。

エアグルーヴはオークスで母子制覇を決めるのだが、特筆すべきは天皇賞秋の勝利。中長距離G1では長らく不遇だった牝馬だが、バブルガムフェロ―を交わしたその瞬間、エアグルーヴが扉を開いたといえる。G1はこの2タイトルだけだが、インパクトはそれ以上のものがあった。

華麗な血統と年度代表馬の実績、さらに産駒成績まで優秀と非の打ちどころがない日本競馬を代表する名牝。

主な産駒

アドマイヤグルーヴ 5勝 エリザベス女王杯2回,産駒にドゥラメンテ(皐月賞,ダービー)
ザサンデーフサイチ 0勝 セリで4億9000万円
ポルトフィーノ 0勝 エリザベス女王杯をカラ馬で1着入線
フォゲッタブル 2勝 ステイヤーズS-G2
ルーラーシップ 4勝 クィーンエリザベスS-香G1
グルヴェイグ 1勝 マーメイドS-G3

サンデーサイレンスを配合された初仔アドマイヤグルーヴは、牝馬三冠をいずれも1番人気に推されるほど大きな期待を背負った。三冠こそスティルインラブに敗れたが、直後のエリザベス女王杯で雪辱を果たしG1馬となった。

牡馬の代表はルーラーシップ。国内のG1ではあと一歩届かずのレースが続いたが、香港でG1の称号を手にした。種牡馬としても産駒がクラシックを制するなど成功を収めている。

エアグルーヴ系はすでにひろがりをみせており、孫の代にはダービー馬ドゥラメンテが誕生した。セレクトセールでも一族は高額で落札され、高い人気を誇る。日本競馬界でもっともホットな牝系のひとつといえる。

近親

エアグルーヴの半姉カーリーエンジェルの産駒からもG1馬が誕生しており、非常に活力のあるファミリーである。遠くない将来、ダイナカールエアグルーヴのクロスをもつ名馬の誕生も十分あり得る。

牝系図(fn.8-f)

ダイナカール(オークス)
カーリーエンジェル
||エガオヲミセテ(マイラーズC-G2)
||アドマイヤハッピー
|||ウォータクティクス(アンタレスS-G3)
||オレハマッテルゼ(高松宮記念)
||フラアンジェリコ(京成杯AH-G3)
セシルカット
||セシルブルース
|||アイムユアーズ(フィリーズレビュー-G2,阪神JF2着)
エアグルーヴ(天皇賞秋,オークス)
||アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯2回,秋華賞2着)
|||ドゥラメンテ(ダービー,皐月賞)
||イントゥザグルーヴ
|||レネットグルーヴ
||||ローシャムパーク(オールカマー-G2)
||ソニックグルーヴ
|||スペシャルグルーヴ
||||グルーヴィット(中京記念-G3)
||||ジュンライトボルト(チャンピオンズC)
||フォゲッタブル(ステイヤーズS-G2,菊花賞2着)
||ルーラーシップ(Qエリザベス2世C-香,宝塚記念2着)
||グルヴェイグ(マーメイドS-G3)
|||アンドヴァラナウト(ローズS-G2)
エルフィンフェザー
||エルフィンパーク
|||ブレスジャーニー(東スポ杯2歳S-G3)


メジロオーロラ(産駒JRA重賞勝利:11勝)

メジロオーロラについて

1978年生まれ。中央競馬で24戦1勝の戦績。父は日本で7度のリーディングサイヤーに輝いたヒンドスタン。戦後初の三冠馬シンザンの父のほうが理解が早いでしょうか。

牝系は小岩井農場の基礎輸入牝馬の一頭アストニシメントにたどり着くファミリー。メジロオーロラの祖母アサマユリは、メジロ牧場の基礎ともいえる牝馬。多くの子孫が活躍した。

主な産駒

メジロデュレン 2勝 菊花賞,有馬記念
メジロマックイーン 9勝 菊花賞,天皇賞春2回,宝塚記念

代表馬は2頭のG1馬。両頭とも夏場から頭角を現し菊花賞を制している。しかし、対照的なのはその人気。メジロデュレンは2頭ともに6番人気、10番人気と低評価だったのに対して、メジロマックイーンは全21戦中18回まで1番人気を背負った。

兄弟2頭で3000m以上のG1を4勝と長距離で無類の力を発揮した。

近親

下記以外では姉メジロツシマの産駒にメジロトーマス(天皇賞春2着)など。

牝系図(fn.7-c)

アサマユリ
メジロアイリス
||メジロツシマ
|||メジロマーシャス(函館記念-G3)
|||メジロクロヒメ
||||メジロトンキニーズ
|||||トリオンフ(中山金杯-G3)
|||||クールキャット(フローラS-G2)
||メジロオーロラ
|||メジロデュレン(有馬記念,菊花賞)
|||メジロマックイーン(天皇賞春2回,菊花賞,宝塚記念)
メジロハリマ
||メジロチドリ
|||ヤセイコーソ
||||ショウナングレイス
|||||ショウナンカンプ(高松宮記念)
||メジロパンテーラ
|||メジロロベルタ
||||メジロアルドラ
|||||ショウナンアポロン(マーチS-G3)
||メジロハイネ
|||ショウナンマイラヴ
||||ショウナンタキオン(新潟2歳S-G3)
メジロトヤマ
||サリーベル
|||ラシアンゴールド(フェブラリーH-G3,帝王賞-地)
|||リージェントブラフ(川崎記念-地)

ブリリアントベリー(産駒JRA重賞勝利:11勝)

ブリリアントベリーについて

ベガと同世代。クラシックのトライアルレースを走ったが、掲示板に乗ることはできなかった。戦績は7戦3勝。

クラフティワイフも優秀な繁殖牝馬で、特にノーザンテーストとの相性が良かった。産駒は12頭が勝ち上がり、JRA勝利は驚異の計55勝。ビッグショウリ(マイラーズC-G2)を筆頭に、ビッグテースト(中山グランドジャンプ)、バトルバニアン(小倉記念2着-G3)、キョウエイフォルテ(シリウスS3着-G3)、クラフティゴールド(小倉3歳S3着-G3)など多くの馬を重賞戦線に送り出した。

主な産駒

ニューベリー 0勝 京都金杯2着-G3
レニングラード 1勝 アルゼンチン共和国杯-G2
カンパニー 9勝 天皇賞秋,マイルCS
ヒストリカル 1勝 毎日杯-G3

産駒はいずれも晩成傾向にあり、とくに父ミラクルアドマイヤカンパニーは8歳になってからG1を勝ってみせた。東京に滅法強かったウオッカに連勝しており、フロックの勝利ではない。

近親

近親に活躍馬多数。甥に天皇賞馬のトーセンジョーダン。姪にあたるアドマイヤキラメキの産駒は、セレクトセールでも注目の的。トーセンスターダムは2億5000万円、ジョンドゥが2億2000万円で取引された。

牝系図(fn.9-a)

クラフテイワイフ
ブリリアントベリー
||レニングラード(アルゼンチン共和国杯-G2)
||カンパニー(天皇賞秋,マイルCS)
||ヒストリカル(毎日杯-G3)
|ビッグショウリ(マイラーズC-G2)
キョウエイフォルテ
||フォルテピアノ
|||パルティトゥーラ
||||タスティエーラ(ダービー,皐月賞2着)
エヴリウィスパー
||アドマイヤキラメキ
|||トーセンスターダム(エミレーツS-豪,トゥーラクH-豪,きさらぎ賞-G3)
|||センテリュオ(オールカマー-G2)
||トーセンジョーダン(天皇賞秋,ジャパンC2着)
||トーセンホマレボシ(京都新聞杯-G2)

エリモピクシー(産駒JRA重賞勝利:11勝)

エリモピクシーについて

1998年生まれ。競争成績は43戦7勝。古馬になってから重賞に顔を出すが、連には絡めず。6歳ではじめてG1エリザベス女王杯に出走し、アドマイヤグルーヴの4着となった。

父は80年代欧州最強ダンシングブレーヴ。母のエリモシューティングは3戦2勝、忘れな草賞(OP)を勝ったのちに引退している。2着トップコートがオークス5着、エリザベス女王杯3着の成績を残していることから、エリモシューティングにも世代上位の力があったものと推察される。

主な産駒

リディル 2勝 デイリー杯2歳sS-G2,スワンS-G2
クラレント 6勝 デイリー杯2歳S-G2,NHKマイルC3着
レッドアリオン 2勝 マイラーズC-G2,関屋記念-G3
サトノルパン 1勝 京阪杯-G3
レッドアヴァンセ 0勝 ヴィクトリアマイル3着
レッドオルガ 0勝 東京新聞杯2着-G3
レッドヴェイロン 0勝 NHKマイルC3着

重賞を賑わした面々が並ぶが、G1タイトルには縁がない。重賞6勝をあげている代表産駒のクラレントはG1出走が12回に及ぶが、掲示板にのったのはわずかに2回。一族の悲願は孫の代に持ち越しか。

近親

輸入牝馬Depgleefは、旧えりも牧場の基礎牝馬ともいえる存在。全姉のエリモシックはエリザベス女王杯を勝っている。

牝系図(fn.9-f)

デプグリーフ
|パッシングサイアー(菊花賞2着)
|パッシングパワー(金鯱賞-G3)
エリモシューテング
||エリモシック(エリザベス女王杯)
||エリモピクシー
|||リディル(スワンS-G2)
|||クラレント(デイリー杯2歳S-G2)
|||レッドアリオン(マイラーズC-G2)
|||サトノルパン(京阪杯-G3)
エリモハスラー
||エリモハリアー(函館記念-G3)
エリモフローレンス
||エリモダンディー(日経新春杯-G2)


基準外

なんであの馬は入っていないのかという声を戴きそうなので、基準には満たないが名牝と名高い馬を並べてみます。おまけに、これから産駒の成績次第で条件を満たしそうな馬をメモ用にピックアップ。

ウインドインハーヘア(11勝)

ヴェイルオブアヴァロン 0勝 米G3勝ち,産駒にリルダヴァル(NHKマイルC3着)
レディブロンド 0勝 6戦5勝,産駒にゴルトブリッツ(帝王賞)
ブラックタイド 1勝 スプリングS-G2
ディープインパクト 10勝 三冠,ジャパンC,有馬記念,天皇賞春,宝塚記念

ウインドインハーヘアについて

ウインドインハーヘアの祖母にあたるハイクレアはエリザベス女王の生産・所有馬にして英オークス馬。ハイクレア系を確立させるほどに子孫が活躍している。

三冠馬の全兄として種牡馬入りを果たしたブラックタイドだったが、キタサンブラックの活躍により人気種牡馬に。もはやウインドインハーヘアディープインパクトの母だけでは語れない馬となった。

レディブロンドの仔ラドラーダからはダービー馬レイデオロが誕生。一族は我が世の春を謳歌しており、セレクトセールではディープインパクトの近親を金看板に多くの高額落札馬が誕生している。

牝系図(fn.2-f)

ウインドインハーヘア(アラルポカル-独,英オークス2着)
レディブロンド
||ラドラーダ
|||レイデオロ(ダービー,天皇賞秋)
|||レイエンダ(エプソムC-G3)
||ゴルトブリッツ(帝王賞-地)
ライクザウインド
||レディスキッパー
|||アドマイヤミヤビ(クイーンC-G3)
||ハワイアンウインド
|||ルフトシュトローム(ニュージーランドT-G2)
|ブラックタイド(スプリングS-G2)
|ディープインパクト(三冠,ジャパンC,有馬記念,天皇賞春,宝塚記念)

ドナブリーニ(10勝)

ドナウブルー 2勝 京都牝馬S-G3,ヴィクトリアマイル2着
ジェンティルドンナ 8勝 牝馬三冠,ジャパンC2回,有馬記念,ドバイSC

ドナブリーニについて

イギリスで11戦4勝。2歳のスプリントG1チェヴァリパークSを制した。イギリスの繁殖牝馬セールにおいて約1億2000万円で落札され、ノーザンファームで繁殖入りした。

産駒では上記2頭以外は目立つ馬はいないが、近親のロジャーバローズがダービーを勝ち牝系の優秀さを示した。産駒に牝馬が多く、孫世代の活躍も期待される。

牝系図(fn.16-f)

Cal Norma’s Lady
ドナブリーニ(チェヴァリーパークS-英)
||ドナウブルー(京都牝馬S,ヴィクトリアM2着)
||ジェンティルドンナ(ジャパンC2回,有馬記念,牝馬三冠,ドバイシーマC)
|||ジェラルディーナ(エリザベス女王杯)
リトルブック
||ロジャーバローズ(ダービー)

シーザリオ(9勝)

シーザリオ産駒
エピファネイア 4勝 菊花賞,ジャパンC
ロザリンド 0勝 産駒にオーソリティ(青葉賞-G2)
リオンディーズ 1勝 朝日FS
サートゥルナーリア 4勝 皐月賞,ホープフルS

シーザリオについて

6戦5勝。桜花賞はラインクラフトに届かず2着に敗れる。続く距離延長となるオークスでは人気に応え、強い内容で差し切った。その後は長期休養とならず、当時国際招待競走であったアメリカの芝G1アメリカンオークスに出走する。3コーナーから進出を開始し、直線では突き放す一方の完勝だった。アメリカのダービー馬サンデーサイレンスの孫として現地でも話題に。しかし、レース後に故障が判明し引退の運びとなった。

産駒の活躍は現役時代を凌駕する。3頭がG1馬となり、指折りの名牝といえる存在に。さらに3頭ともに人気種牡馬として多くの牝馬に配合している。シーザリオの血は加速的にひろがりをみせている。牝駒も4頭おり、牝系の発展も約束されていよう。

牝系図(fn.16-a)

キロフプリミエール(ラドガーズH-米G3)
シーザリオ(オークス,アメリカンオークス-米)
||エピファネイア(ジャパンC,菊花賞)
||ロザリンド
|||オーソリティ(青葉賞-G2,ジャパンC2着)
||リオンディーズ(朝日杯FS)
||サートゥルナーリア(皐月賞,ホープフルS)

ローザネイ(9勝)

ロゼカラー 1勝 秋華賞3着
ロサード 5勝 オールカマー(G2)
ヴィータローザ 3勝 セントライト記念(G2)

ローザネイについて

フランスで8戦1勝。社台グループにより日本に輸入される。2代前母リバークイーンが仏1000ギニー勝ちの血統。

ローザネイ(Rosa Nay)の名前から、産駒や孫たちには薔薇に関する馬名がつけられることが多い。別称は薔薇一族。

牝系図(fn.1-w)

ローザネイ
ロゼカラー(デイリー杯3歳S-G2)
||ローズバド(フィリーズレビュー-G2,オークス2着)
|||ローザブランカ
||||スタニングローズ(秋華賞)
|||ローズキングダム(ジャパンC)
|||ロザリウム
||||ゼルトザーム(函館2歳S-G3)
||ローゼンクロイツ(金鯱賞-G2)
|ロサード(オールカマー-G2)
|ヴィータローザ(セントライト記念-G2)

キャットクイル(8勝)

ファレノプシス 4勝 桜花賞,秋華賞,エリザベス女王杯
Sunday Break 0勝 ベルモントS3着-米G1,ピーターパンS-米G2
キズナ 4勝 ダービー,ニエル賞-仏G2

キャットクイルについて

イギリスで2戦未勝利。キャットクイルが輸入されたのは1994年、この年は半姉の仔ナリタブライアンがクラシック三冠を達成している。

初仔のファレノプシスと末仔キズナは15歳違いの姉弟。3番仔サンデーブレイクはアメリカでデビュー。日本産馬として重賞を勝ち、引退後はアメリカで種牡馬となった。代表産駒にNever on Sunday(イスパーン賞-仏)がいる。

牝系図(fn.2-f)

Pacific Princess(デラウェアオークス-米)
パシフィカス
||ビワハヤヒデ(天皇賞春,菊花賞,宝塚記念)
||ナリタブライアン(三冠,有馬記念)
||スペリオルパール
|||ラストインパクト(京都大賞典-G2,ジャパンC2着)
トロピカルサウンド2
||シルクユニバーサル
|||モンドインテロ(ステイヤーズS-G2)
|||セダブリランテス(中山金杯-G3)
キャットクイル
||ファレノプシス(桜花賞,秋華賞,エリザベス女王杯)
||Sunday Break(ピーターパンS-米G2)
||キズナ(ダービー)

ホワイトウォーターアフェア(8勝)

アサクサデンエン 2勝 安田記念
スウィフトカレント 1勝 小倉記念-G3,天皇賞秋2着
ヴィクトワールピサ 5勝 ドバイワールドカップ,皐月賞,有馬記念

ホワイトウォーターアフェアについて

芝2700mのフランスG2勝ちの実績。イギリス生まれのアサクサデンエン(父シングスピール)は〇外登録であった。ホワイトウォーターアフェアは輸入されたことから、2番仔のスマイルサポート(父ホーリング)は持込馬、3番仔のスウィフトカレント(父サンデーサイレンス)からが内国産となっている。

牝系図(fn.8-d)

Much Too Risky
ホワイトウォーターアフェア(ポモーヌ賞-仏G2)
||アサクサデンエン(安田記念)
||スウィフトカレント(小倉記念-G3,天皇賞秋2着)
||ヴィクトワールピサ(ドバイワールドC,有馬記念,皐月賞)
リッチアフェアー
||プチノワール
|||ローブティサージュ(阪神JF)

チヨダマサコ(8勝)

スリードーター 0勝 中山牝馬S3着-G3
ニッポーテイオー 7勝 天皇賞秋,マイルCS,安田記念
タレンティドガール 1勝 エリザベス女王杯

牝系図(fn.12)

チヨダマサコ
スリードーター
||スリーフェアリー
|||ガトーショコラ
||||ルルパンブルー(フェアリーS-G3)
|ニッポーテイオー(天皇賞秋,安田記念,マイルCS)
タレンティドガール(エリザベス女王杯)
||エミネントガール
|||グローバルピース
||||ホエールキャプチャ(ヴィクトリアM,桜花賞2着)
||||パクスアメリカーナ(京都金杯-G3)
||ライジングサンデー
|||エーシンホワイティ(ファルコンS-G3)

レールデュタン(8勝)

メジロモネ 0勝 武蔵野S2着-G3
メジロブライト 7勝 天皇賞春
メジロベイリー 1勝 朝日杯3歳S

スプリングネヴァー(8勝)

ダイタクリーヴァ 5勝 スプリングS-G2,皐月賞2着
ダイタクバートラム 3勝 阪神大章典-G2,天皇賞春3着

ベガ(7勝)

アドマイヤベガ 3勝 ダービー
アドマイヤボス 1勝 セントライト記念-G2
アドマイヤドン 3勝 朝日杯FS,フェブラリーS,地方交流Jpn1を5勝
キャプテンベガ 0勝 東京新聞杯2着-G3
ヒストリックスター 0勝 産駒にハープスター(桜花賞)

ベガについて

凱旋門賞馬トニービンの初年度産駒。桜花賞、オークスの二冠を達成したが、牝馬三冠のかかったエリザベス女王杯は後にダートで無類の強さを誇るホクトベガの前に3着に敗れた。

1頭の死産を除けば、ベガの産駒は表中の5頭のみ。唯一の牝馬で未出走のヒストリックスターは桜花賞馬ハープスターを生んだ。別系統から母アンティックヴァリューの血は継続しているものの、ハープスターには名牝ベガの血をひろく伝える役目を期待したい。

牝系図(fn.9-f)

アンティックヴァリュー
オールドスタッフ
||クライングフォーモア
|||クライウィズジョイ
||||サトノノブレス(日経新春杯-G2)
||Antique Auction
|||インディアナカーヴ
||||エクセラントカーヴ(京王杯AH-G3)
|||ネットオークション
||||コレクターアイテム(アルテミスS-G)
ニュースヴァリュー
||ショウナンカラット
|||エルトンバローズ(毎日王冠-G2)
ベガ(桜花賞,オークス)
||アドマイヤベガ(ダービー)
||アドマイヤボス(セントライト記念-G2)
||アドマイヤドン(フェブラリーS,朝日杯FSなど地含めG1を7勝)
||ヒストリックスター
|||ハープスター(桜花賞,オークス2着)
|マックロウ(京都記念-G2)

ハルーワスウィート(7勝)

ヴィルシーナ 3勝 ヴィクトリアマイル2回
シュヴァルグラン 3勝 ジャパンC,ドバイSC2着
ヴィブロス 1勝 秋華賞,ドバイターフ

ハルーワスウィートについて

22戦5勝、勝利は1000万下条件まで。ハルーワスウィートは先天的に尾骨がなく尻尾のない馬として有名だった。なお産駒にはいずれも尻尾がある。

名牝グロリアスソングの牝系。グロリアスソングは、走っては米G1を4勝、母としてもシングスピール(エクリプスS-英,ジャパンC,ドバイワールドC)やラーイ(産駒にG1を米11勝のセレナーズソングやファンタスティックライト)を生んだ。ヴィルシーナヴィブロス姉妹から、日本で一大牝系に発展する可能性も十分。

牝系図(fn.12-c)

Glorious Song(スピンスターS-米などG1を4勝)
|グランドオペラ
|Rahy(ベルエアH-米G2,ミドルパークS-英)
Morn of Song
||ハルーワソング
|||ハルーワスウィート
||||ヴィルシーナ(ヴィクトリアM2回)
|||||ブラヴァス(新潟記念-G3)
|||||ディヴィーナ(府中牝馬S-G2)
||||シュヴァルグラン(ジャパンC,天皇賞春2着)
||||ヴィブロス(ドバイターフ,秋華賞)
|||ラスティングソング
|||フレールジャック(ラジオNIKKEI賞-G3)
|||マーティンボロ(新潟記念-G3)
|||シャンドランジュ
||||セラフィックコール(みやこS-G3)
|Singspiel(ジャパンC,インターナショナルS-英などG1を4勝)
シャンソネット
||ダノンシャンティ(NHKマイルC)

アドマイヤサンデー(7勝)

アドマイヤメガミ 0勝 チューリップ賞(G3)2着
フサイチホウオー 3勝 皐月賞3着,ダービー1番人気
トールポピー 2勝 オークス,阪神JF
ナサニエル 0勝 全日本2歳優駿2着-Jpn1
アヴェンチュラ 2勝 秋華賞,エリザベス女王杯2着

アドマイヤサンデーについて

8戦3勝、阪神牝馬Sでエガオヲミセテの2着。

牝系図(fn.1-p)

アドマイヤサンデー
|フサイチホウオー(共同通信杯-G3)
トールポピー(オークス,阪神JF)
ヴェラブランカ
||ヴェラアズール(ジャパンC)
アヴェンチュラ(秋華賞,エリザベス女王杯2着)

グリーンシャトー(7勝)

タマモクロス 6勝 天皇賞春秋,宝塚記念
ミヤマポピー 1勝 エリザベス女王杯

エアトゥーレ(7勝)

アルティマトゥーレ 2勝 セントウルS-G2
キャプテントゥーレ 4勝 皐月賞
クランモンタナ 1勝 小倉記念-G3
コンテッサトゥーレ 0勝 桜花賞3着

エアトゥーレについて

スキーパラダイスは武豊騎乗で仏G1ムーランドロンシャン賞を勝った欧州の一流マイラー。エアトゥーレも5歳(当時は6歳表記)時に欧州遠征し、フランスG1モーリスドゲスト賞で2着となった。

サンデーサイレンス系種牡馬とばかり配合され、3頭が重賞を勝った。代表産駒の皐月賞馬キャプテントゥーレアグネスタキオン産駒。これだけの良血にもかかわらず2017年のオルフェーヴル産駒にはナムアミダブツの名がつけられている。

牝系図(fn.3-l)

Ski Goggle(エイコーンS-米)
スキーパラダイス(ムーランドロンシャン賞-仏)
||アグネスショコラ
|||ロワジャルダン(みやこS-G3)
||エアトゥーレ(阪神牝馬S-G2,モーリスドゲスト賞2着-仏)
|||アルティマトゥーレ(セントウルS-G2)
|||キャプテントゥーレ(皐月賞)
|||クランモンタナ(小倉記念-G3)
|||シルヴァーソニック(ステイヤーズS-G2,レッドシーターフ-沙G3)
||アスピリンスノー
|||ソフトライム
||||ペリエール(ユニコーンS-G3)
|スキーキャプテン(きさらぎ賞-G3)

トゥザヴィクトリー(7勝)

アゲヒバリ 0勝 産駒にリオンリオン(青葉賞-G2)
ディナシー 0勝 セレクトセールにて6億円(税抜)で落札
トゥザグローリー 5勝 京都記念-G2,有馬記念3着2回
トゥザワールド 1勝 弥生賞-G2,有馬記念2着
トーセンヴィクトリー 1勝 中山牝馬S-G3

トゥザヴィクトリーについて

オークス、秋華賞で1番人気に支持されるなど能力の高さは疑いなかったが、オークスでウメノファイバーの2着など勝ちきるまでには至らなかった。その後も重賞を勝てどもG1には届かない。5歳(旧6歳)ではダート戦に挑戦し、フェブラリーSでノボトゥルーの3着、ドバイワールドカップでキャプテンスティーヴの2着と健闘する。ようやく念願叶ったのは帰国初戦のエリザベス女王杯。これまでとは変わって差す競馬での戴冠となった。

トゥザヴィクトリーのファミリーもセレクトセールでは高額馬の常連。アゲヒバリの2019は2億1000万円の値が付いた。

牝系図(fn.9-f)

フェアリードール
トゥザヴィクトリー(エリザベス女王杯,ドバイワールドC2着)
||アゲヒバリ
|||メドウラーク(七夕賞-G3)
|||リオンリオン(青葉賞-G2)
||トゥザグローリー(日経賞-G2)
||トゥザワールド(弥生賞-G2,有馬記念2着)
||トーセンビクトリー(中山牝馬S-G3)
ビスクドール
||ジュモー
|||プロフェット(京成杯-G3)
|||クラージュゲリエ(京都2歳S-G3)
|サイレントディール(シンザン記念-G3,フェブラリーS2着)
ベネンシアドール
||デニムアンドルビー(ローズS-G2,ジャパンC2着)
フェアリーダンス
||フェアリーポルカ(中山牝馬S-G3)

サクラクレアー(7勝)

サクラヤマトオー 0勝 オールカマー2着-G2
サクラチトセオー 4勝 天皇賞秋,安田記念2着
サクラキャンドル 3勝 エリザベス女王杯
サクラメガ 0勝 産駒にサクラメガワンダー(金鯱賞-G2)

牝系図(fn.13-c)

Vulcania(テストS-米,ダイアナH-米)
Abeyance Lass
||クレアーブリッジ
|||サクラクレアー
||||サクラチトセオー(天皇賞秋)
||||サクラキャンドル(エリザベス女王杯)
||||サクラプレステージ
|||||サクラプレジール(フラワーC-G3)
||||サクラメガ
|||||サクラメガワンダー(金鯱賞-G2)
|||||サクラアンプルール(札幌記念-G2)
|||ダイナクレアー
||||ユキノワルツ
|||||マツリダワルツ
||||||ロードクエスト(スワンS-G2,NHKマイルC2着)
Legato
||Banja Luka
|||ファーディナンド(ケンタッキーダービー,BCクラシック)

レーヴドスカー(6勝)

ナイアガラ 0勝 すみれS-OP
レーヴダムール 0勝 阪神JF2着
アプレザンレーヴ 1勝 青葉賞-G2
レーヴドリアン 0勝 きさらぎ賞2着-G3,京都新聞杯3着-G2
レーヴディソール 3勝 阪神JF
レーヴデトワール 0勝 紫苑S-OP
レーヴミストラル 2勝 青葉賞-G2,日経新春杯-G2
レーヴァテイン 0勝 青葉賞3着-G2

レーヴドスカーについて

10戦1勝2着6回。主にフランスで走りG1サンタラリ賞を勝った。ジャパンCにも出走し、テイエムオペラオーの7着。

産駒の活躍は目覚ましく、10頭すべてが勝ち星をあげ、8頭までもがオープン競走で結果を残している。さらに繁殖の優秀さを示すのが、配合された種牡馬がすべて異なる点である。ただ一族には脚元が悪い産駒が多く、早い時期での引退が多い。

牝系図(fn.1-p)

レーヴドスカー(サンタラリ賞-仏,ヴェルメイユ賞2着-仏)
|アプレザンレーヴ(青葉賞-G2)
レーヴディソール(阪神JF)
|レーヴミストラル(青葉賞-G2)

スカーレットレディ(6勝)

サカラート 1勝 東海S(G2)
ヴァーミリアン 4勝 フェブラリーS,ジャパンカップダート
キングスエンブレム 1勝 シリウスS-G3
ソリタリーキング 1勝 東海S-G2

牝系図(fn.4-d)

スカーレットインク
スカーレットブルー
||アナスミラビリス
|||トーセンスマッシュ
||||ブレイブスマッシュ(サウジアラビアRC-G)
||フェスタデルドンナ
|||クォークスター(セントライト記念-G2)
||ブルーリッジリバー(桜花賞2着)
|||ヴィーヴァブーケ
||||ブラックホール(札幌2歳S-G3)
||||ライラック(フェアリーS-G3)
スカーレットリボン(4歳牝馬特別-G2)
スカーレットローズ
||スカーレットレディ
|||サカラート(東海S-G2)
|||ヴァーミリアン(ジャパンCダート,東京大賞典-地)
|||キングスエンブレム(シリウスS-G3)
|||ソリタリーキング(東海S-G2)
スカーレットブーケ(京都牝馬特別-G3)
||ダイワルージュ(阪神3歳牝馬S2着)
|||ダイワファルコン(福島記念-G3)
||ダイワメジャー(天皇賞秋,皐月賞,安田記念,マイルCS2回)
||ダイワスカーレット(有馬記念,桜花賞,秋華賞,エリザベス女王杯)

トキオリアリティー(6勝)

アイルラヴァゲイン 1勝 スプリンターズS3着
リアルインパクト 3勝 安田記念,ジョージライダーS-豪G1
ネオリアリズム 2勝 クィーンエリザベスS-香G1

シルバーレーン(6勝)

ブラックホーク 5勝 安田記念,スプリンターズS
ピンクカメオ 1勝 NHKマイルC
カウアイレーン 0勝 クィーンS2着-G3,産駒にステイフーリッシュ(京都新聞杯-G2)

牝系図(fn.5-g)

シルバーレーン(クロット賞-仏G3)
|ブラックホーク(安田記念,スプリンターズS)
シルバーチャリス
||プラチナチャリス
|||ロジチャリス(ダービー卿CT-G3)
|||グレイル(京都2歳S-G3)
ピンクカメオ(NHKマイルC)
カウアイレーン
||ステイフーリッシュ(京都新聞杯-G2,ドバイゴールドC-G2)

アグネスフローラ(5勝)

アグネスフライト 2勝 ダービー
アグネスタキオン 3勝 皐月賞,2008リーディングサイアー

牝系図(fn.1-l)

イコマエイカン
|グレイトファイター(小倉大賞典-OP)
クインリマンド(桜花賞2着)
||ハスキーハニー
|||ブライアンハニー
||||マイネルハニー(チャレンジC-G3)
|タマモリマンド(京阪杯-OP)
アグネスレディー(オークス,エリザベス女王杯2着)
||アグネスフローラ(桜花賞,オークス2着)
|||アグネスセレーネー
||||アグネスパサー
|||||アグネスサクラ
||||||ブレイキングドーン(ラジオNIKKEI賞ーG3)
|||アグネスフライト(ダービー)
|||アグネスタキオン(皐月賞)

シンハリーズ(5勝)

アダムスピーク 1勝 ラジオNIKKEI杯(G3)
リラヴァティ 1勝 マーメイドS-G3
シンハライト 3勝 オークス

牝系図(fn.6-e)

シンハリーズ(デルマーオークス-米)
|アダムスピーク(ラジオNIKKEI杯-G3)
リラヴァティ(マーメイドS-G3)
シンハライト(オークス,桜花賞2着)

バルドウィナ(5勝)

ワンカラット 4勝 フィリーズレビュー-G2
サンシャイン 0勝 愛知杯2着-G3
ジュエラー 1勝 桜花賞

トウカイナチュラル(6勝)

トウカイテイオー 5勝 皐月賞,ダービー,ジャパンC,有馬記念
トウカイオーザ 1勝 アルゼンチン共和国杯-G2
トウカイエリート 0勝 日経新春杯2着-G2

カーリーエンジェル(5勝)

エガオヲミセテ 2勝 マイラーズC-G2
アドマイヤハッピー 0勝 産駒にウォータクティクス(アンタレスS-G3)
オレハマッテルゼ 2勝 高松宮記念
フラアンジェリコ 1勝 京成杯オータムH-G3

マンデラ(5勝)

バレークィーン(4勝)

フサイチコンコルド 1勝 ダービー
グレースアドマイヤ 0勝 府中牝馬S2着-G3,産駒にヴィクトリー(皐月賞)
フサイチミニヨン 0勝 産駒にアンブロワーズ(阪神JF2着)
ボーンキング 1勝 京成杯-G3
アンライバルド 2勝 皐月賞

プリンセスオリビア(4勝)

Flower Alley 0勝 トラヴァーズS-米,産駒にアイルハヴアナザー(ケンタッキーダービー)
ブルーミングアレー 0勝 フローラS3着-G2
トーセンラー 3勝 マイルCS
スピルバーグ 1勝 天皇賞秋

マイネプリテンダー(4勝)

マイネヌーヴェル 1勝 フラワーC-G3
マイネルネオス 0勝 中山グランドジャンプ-JG1
マイネルアワグラス 1勝 シリウスS-G3
マイネルチャールズ 2勝 弥生賞-G2

クリソプレーズ(4勝)

クリソライト 0勝 ジャパンダートダービー-Jpn2,コリアカップ-韓G1
マリアライト 2勝 宝塚記念,エリザベス女王杯
リアファル 1勝 神戸新聞杯-G2
クリソベリル 1勝 チャンピオンズC

ヘヴンリーロマンス(2勝)

アウォーディー 2勝 JBSクラシック-Jpn1
アムールブリエ 0勝 エンプレス杯-Jpn2
ラニ 0勝 UAEダービー-ドG2,ベルモントS3着-米

フリツパンシー(G1を8勝)

タイホウ 天皇賞,目黒記念,オールカマー
セントライト 皐月賞,ダービー,菊花賞
クリヒカリ 皐月賞,天皇賞
トサミドリ 皐月賞,菊花賞

フリッパンシーについて

(番外編その1)
1924年、イギリス産。小岩井農場が繁殖牝馬として輸入した。産駒は4頭がG1級競走を優勝。なかでもセントライトは初の三冠馬として、トサミドリは競走馬・種牡馬ともに傑出した成績を残し、それぞれ顕彰馬として選出されている。

牝系図(fn.22-b)

フリツパンシー
|大鵬(天皇賞,目黒記念春)
第貮フリツパンシー
||キミカゲ(桜花賞2着)
|||サツマオー
||||スパイラル
|||||ゲズンドハイト
||||||ノースガスト(菊花賞)
||ミスパンシー
|||スモールドオター
||||ヨシカネ
|||||テュデナムキング(中山記念-G2,天皇賞秋2着)
|セントライト(顕彰馬,三冠)
|クリヒカリ(皐月賞,天皇賞秋)
第五フリツパンシー
||ハナミノル
|||孝律
||||ムツミコウギヨウ
|||||ムツミカースル
||||||アオエトウショウ
|||||||マイネサマンサ(京都牝馬S-G3)
|トサミドリ(顕彰馬,皐月賞,菊花賞)

アストラル(G1を4勝)

カブトヤマ ダービー,天皇賞,目黒記念
ガヴァナー ダービー
ロッキーモアー 天皇賞
ファインモア 中山記念
ミスアストラル 天皇賞2着
シャイニングサン 天皇賞3着

アストラルについて

(番外編その2)
1921年、下総御料牧場産。祖母は日本の一大牝系の祖ビューチフルドリーマー。競走馬としては帝室御賞典(後の天皇賞)、濠抽混合(後の目黒記念)を勝った。産駒マツミドリと初の父仔ダービー制覇を成し遂げたカブトヤマ、3戦3勝でダービーを制した後に故障で安楽死となったガヴァナーの兄弟が産駒の代表格。第参アストラルから続く牝系は現代でも活躍馬を多く輩出している。

牝系図(fn.12)

アストラル(天皇賞,目黒記念)
|カブトヤマ(ダービー,天皇賞)
|ガヴアナー(ダービー)
|ロッキーモア(天皇賞)
第参アストラル
||オーマツカゼ(桜花賞2着)
|||マーヴエラス(阪神3歳S2着)
||||ラインランド
|||||ハヤフブキ(4歳牝馬S)
||||||タケフブキ(オークス)
|||||||タケバンザイ
||||||||レディクラシック
|||||||||グランドシチー(マーチS-G3)
||||||タケホープ(ダービー,菊花賞,天皇賞春)
|||||ミズノコマチ
||||||ミヨシチェリー
|||||||ムーンザドリーム
||||||||ショウリュウムーン(チューリップ賞-G3)
|||||||||ショウリュウイクゾ(日経新春杯-G2)
|||オーハヤブサ(オークス)
||||ウイングビー
|||||ジヨナゴールド
||||||グリーゴールド
|||||||ミヤギロドリゴ(福島記念-G3)
||||ワールドハヤブサ
|||||ミスオーハヤブサ
||||||チヨダマサコ
|||||||スリードーター
||||||||スリーフェアリー
|||||||||ガトーショコラ
||||||||||ルルパンブルー(フェアリーS-G3)
|||||||ニッポーテイオー(天皇賞秋,安田記念,マイルCS)
|||||||タレンティドガール(エリザベス女王杯)
||||||||エミネントガール
|||||||||グローバルピース
||||||||||ホエールキャプチャ(ヴィクトリアM,桜花賞2着)
||||||||||パクスアメリカーナ(京都金杯-G3)
||||||||ライジングサンデー
|||||||||エーシンホワイティ(ファルコンS-G3)
||||||カイムラサキ
|||||||ローブデコルテ 1988
||||||||ダイワテキサス(オールカマー-G2)
|||||ビクトリアクラウン(エリザベス女王杯)
||||||コパノオマモリ
|||||||フォーチュンワード
||||||||グレイトパール(平安S-G3)